5月14日(火)の昼、サンプラザ万助で開催された福知山西南ロータリークラブの第1599回例会で、4回生の吉良謙吾君が講演しました。
演題は「情報化推進による地域の魅力アップ」。昨年の福知山市「まちの魅力アップ アイデア発見」事業において優秀賞を受賞したアイデアをもとに、内容を充実させ、30分近い講演時間で見事に持論を展開しました。
講演内容は、現在スマートフォン等情報通信端末の普及に対して、無料のWi-Fiスポットの整備等、通信環境のインフラ整備が、京都府北部地域の中でもとりわけ福知山市で立ち遅れているという問題提起をしたうえで、他地域の先進事例等との比較、現在公共施設や飲食店、宿泊施設等でも導入が進みつつある無料公衆無線LANのメリットや有効な設置場所等についての提示、そしてその運用方法や行政の関与の仕方についての提案というものでした。
聴衆の方々も興味を持っておられたようですし、こうした、「課題発見→調査とデータの比較検討・分析→結論(提案)」という論の組み立て方は、これから立ち向かう卒業論文においても十分役立つもので、今後ますますの活躍を期待したいと思います。
以下、当日の講演内容の要旨です。
情報化推進による地域の魅力アップ
成美大学 吉良 謙吾
昨今では著しい情報化が進んでおり、スマートフォンやタブレット端末の普及によっていつでも、どこでもパソコンが利用できるような状況になっています。しかし、情報化が進んでいるのはユーザー側だけでインフラ側の情報化はあまり進んでいないように感じます。そこでこの「光回線が通りWi-Fi機能が使用可能な情報先進的なまち」というアイデアを提案いたしました。
このアイデアは光回線の敷設と無料公衆無線LANの設置という二つの領域からなっています。そのうち光回線の敷設については平成18年度から取り組まれている「e-ふくちやま」事業においてほぼ達成されているとのことです。しかし、無料公衆無線LANの設置については全く進んでいないというのが現状です。
では、無料公衆無線LANの設置にはどのようなメリットがあるのでしょうか。まず、利用者側にとっては利便性の向上が大きなメリットとなります。例えば、観光庁が平成23年10月に実施したアンケート調査によると訪日外国人旅行者の一番の不満は全体の23.9%を獲得した「無料公衆無線LAN環境」でした。無料公衆無線LANを設置すればこの不満はある程度解消されるでしょう。さらに、旅行者だけでなくその地域の住民にとっても大きな利便性の向上につながります。
また、設置側にとっても集客力の向上やリピーターの確保などのメリットがあります。特に宿泊施設においてはその傾向が顕著になります。あるインターネットのホテル予約サイトのアンケートによると、回答者の34%がホテルを選ぶ際に最も重要な要素を「無料Wi-Fi接続」だと回答したそうです。無料公衆無線LANはもはや宿泊施設にとって必須なものとなりつつあるといっても過言ではないでしょう。
今後、福知山市は海の京都構想の中の一市として観光を推進していこうとしています。これから先、観光を推進するのであれば観光客および宿泊客の利便性向上に努める必要があるでしょう。そのためにも、無料公衆無線LANの整備を一刻も早く推進していく必要があるのではないでしょうか。