NPO法人北近畿みらい、成美大学地域活性化センター、成美大学ニューツーリズム研究所主催による、日帰りで訪ねることができる北近畿各地の現場に行って、気軽に学べる講座「北近畿みらい塾」の第6回「山陰海岸ジオパーク講座―日本誕生の秘密に迫る―」を8月25日(土)兵庫県豊岡市玄武洞ミュージアムにて開催しました。

 
当日は朝から快晴。豊岡市はこの2週間猛暑日が続き、日本の中で猛暑日が10日間以上続いた「もっとも暑い日が続いた街」としてニュースでも紹介されていました。その猛暑の中、講座をスタートすることができました。

 

まず、開講式です。塾長 四方八洲男 理事長の開講のあいさつがあり、公務の合間を見つけて駆けつけていただいた、豊岡市 真野毅 副市長からご挨拶をいただきました。

 
続いて講座の開始です。玄武洞ミュージアム 田中栄一 館長が、「日本誕生の秘密」をテーマに講義されました。まず、最初に山陰海岸ジオパークについての解説DVDを8分間観賞しました。

いよいよ、田中館長の講義です。40年を超える時間をかけて研究してきた「日本誕生の秘密」を玄武洞の視点から講義していただきました。玄武洞の岩石から京大の松山博士が磁場は一定ではなく数百万年ごとに逆になっていることを発見した話や、日本が約7000年前から大陸から離れ始めた話など、きわめて興味深い内容が盛りだくさんでした。ただ、地球科学がベースになっているため学問的に難解な用語や専門知識が必要な事例紹介もありましたが、田中館長の熱のこもった説明とその内容に圧倒され、参加者全員が食い入るように講義を聞いていたのが印象的でした。1時間はあっという間にたってしまい、受講者は、46億年の地球の歴史からみると人間はいかに小さいかがよくわかったようでした。

 

続いての館内のガイド説明です。館内には、時間と費用をかけて世界中から集めた貴重な地球の一部、岩石などがところせましと展示されており、田中館長ともう1名のスタッフが2グループに分かれて、1時間をかけて館内をガイドしてくださいました。樹形溶岩、菊花石、黄鉄鋼、アマゾナイト、テレビ石・・・有名な岩石から初めて聞く珍しいものまで自然の力の大きさと不思議さを改めて楽しく感じることができました。

 

いよいよ、玄武洞公園見学です。講義で聞いた説明や、ミュージアムで受けた解説をイメージしながら玄武洞の実物を眼前に地球の歴史に思いをはせながら見学することができました。
最後に、本学 辻本千春 准教授が閉講のあいさつを行い、無事講座が終了しました。

 

有名な世界遺産は保全を主な目的としていますが、世界ジオパークは「保全と活用」の両方を目指しているところが世界遺産と異なります。田中館長もお話しされていましたが、ジオパークは多くの人に来ていただくことが大切です。ぜひ、受講された皆様はもとより、少しでもジオパークに興味がありましたら、山陰海岸に広がるジオパークサイトや、そこに暮らす人々の生活、彼らが織なす生活や伝統の文化をぜひ楽しみながら観光していただきたいと思います。 今回も暑い中、たくさんの方にご参加いただきありがとうございました。

 

【アンケートより受講者の感想】※一部抜粋

・田中館長の熱意がマグマの熱気に相通じました。
・玄武洞の石柱の見事さと、田中館長の解説に大変勉強させていただきました。
・ロマンを感じました。植物とは違う自然という創造の産物の数々に驚きました。

 

(次回のみらい塾のご案内)
✻第7回「細川幽斎と田辺城」講座―天下分け目の籠城戦―
・日 時:9月15日(土) 13:00~16:00
・場 所:西舞鶴駅集合
・定 員:50名
・参加費:1,500円
・申込先:NPO法人北近畿みらい
    TEL:0773-40-2211 FAX:0773-40-2244 E-mail: info@k-mirai.net
「北近畿みらい塾」最終回となります。皆様ぜひご参加ください。

 

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