2012年1月21日(土)午後、「広域連携で開くツーリズムの未来~大丹波観光シンポジウム~」(主催:京都府・NPO法人北近畿みらい・成美大学、後援:大丹波連携推進協議会・関西広域連合)を開催しました。

 

前半の基調講演では、(財)阿蘇地域振興デザインセンター事務局長の坂元英俊氏より、「来てもらってうれしい地域づくり・観光地づくり~広域連携における滞在交流型観光とは~」と題して、九州の中央、熊本県北東部に位置する1市7町村と隣接する大分県竹田市からなる阿蘇地域における阿蘇広域連携ツーリズム「阿蘇ゆるっと博」について、また地域づくりをベースにした観光振興への取組についてお話しいただきました。

「阿蘇ゆるっと博」とは、これまで取り組まれてきた自然や農村、商店街といった地域資源の再評価と活用による地域のツーリズム開発「阿蘇カルデラツーリズム」をベースに、2011年3月の九州新幹線の全線開通に合わせ、この地域にある阿蘇、阿蘇小国郷、南阿蘇、竹田の4エリアを「パビリオンのない博覧会」と見立てて展開されている、滞在交流型観光に向けた取組と提案です。その特徴は、エリアを分散させ、エリアごとに特色のある受け皿を準備することによって、滞在、反復、体験、回遊という観光行動を促すことにあります。

訪れた人たちに、その地でゆっくり時間を過ごしてもらうためには、いつ行っても楽しむことができるような地域づくりが必要です。そのためには、地域に住む人たちが地域の良さを再認識し掘り起こすこと、地域の人が訪れる人たちにそこの魅力を語れるようになること、そして地域にある歴史、文化、自然といった宝物を磨き、活用することが求められます。

坂元氏は、地域づくりの目的とは、地域と人と経済の関係性づくりにあるといいます。それは、地域の良さの再発見とそれによって生まれる地域への誇り、地域づくりに取り組むことによる人間性の向上、そして人が訪れるということが、地域の特徴や魅力の情報発信と訪れた人へのもてなしの心、本物があり、それにお金を使いたくなる、ということが連動していることにあるということです。また、こうした地域づくりの取組がツーリズムへとつながっていくと強調されました。

最後に、地域に来てもらってうれしいのは、地域づくりに取り組む人たちが、住んでいる地域に誇りを持ち、工夫や地域を学ぶことによって生まれる地域の案内や商品などが、訪れるお客様に喜ばれたり、褒められたり、評価されるからであり、丹波には、そうした地域の人たちの手による地域づくりから生まれる滞在型観光の可能性があると締めくくられました。

 

(以下写真は、NPO法人 北近畿みらい提供)

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